(前編)の国内作品に引き続き(後編)では海外作品をご紹介します。
※まだ(前編)を見ていない方は、ぜひそちらも見てくださいね。
⇒「発表!!おすすめ短編小説TOP10(前編)」
それでは残りのおすすめ5作品もいってみましょう!
発表っ!!だるまのオススメ短編小説TOP10(後編)※順不同
⑥ 緑のドア / O・ヘンリー
< あらすじ >
チラシ配りから「緑のドア」と書かれたカードを受けとった主人公。他の通行人には歯科のチラシが配られていることに気づき、カードの意味を確かめようと探検を始める・・・
< 感 想 >
この作品は「冒険心の大切さ」を教えてくれます。前向きな主人公が好印象です。
本当の冒険者は目的もなく打算もなく、ただ未知の運命を探し迎えるために出かけていくのだ。
偶然や不運が新たな運命を切り開くときがあります。しかし、そのためにはこの主人公のようにささいなことにも好奇心を持ち、流れに身を任せて突き進まなければならないのでしょう。
この短編はO・ヘンリーの作品の中ではあまり注目されませんが、貧困や孤独でさえ跳ね飛ばしてしまうような明るい展開が気に入っています。
⑦ 皇帝の新しい着物 / アンデルセン
< あらすじ >
「おろか者には見えない着物」を作れると言い、皇帝に取り入った2人のペテン師。おろか者だと思われたくない大臣たちは、ありもしない着物を褒めちぎる。皇帝自身も着物が見えぬと言えず、何も着ぬままパレードに向かうが・・・
< 感 想 >
有名な童話「はだかの王様」です。子供向けだと思われがちですが、大人になってからも読み返してもらいたい名作です。
『わしは、おろか者なのかしらん。・・〈中略〉・・いかん、織り物が見えませんなぞと言うわけにはいかんぞ。』
明らかに周りが間違っているのにそのことを指摘できない、そんな経験は誰でもあると思います。自分だけが間違っていることへの不安、良く思われたいという見栄が真実を覆いかくしてしまいます。
最初は周りに合わせているつもりでも、いつの間にか信じてしまっているから危険です。ペテン師たちに騙される皇帝や大臣はマヌケですが、大人になってから読むと笑ってすますことは出来ません。
⑥に戻る
⑧ 人にはどれほどの土地がいるか / トルストイ
< あらすじ >
狭い土地に不満を持っていたパホームは旅人からある土地の話をきく。そこでは「一日で歩き囲んだ土地」をわずかな金で売ってくれるという。豊かな暮らしのために、より広い土地を取り囲もうと燃えるパホームだったが、そこには悪魔の影が忍び寄っていた・・・
< 感 想 >
今の状況に満足できない、もっともっとと望むことが悪魔に付け入るスキを与えてしまうというお話です。何事もほどほどが一番なのですが、バランスをとるのは難しいものですね。
『いかにも地面がいいので、思いきるのは惜しいわい。おまけに、行けば行くほど良くなるんだからたまらない。』
目先の欲にとらわれると本来の目的を見失ってしまいます。欲を満たせば満たすほど目的から遠ざかってしまうのですが、そのことに気づける人はあまりいないようです。
タイトルが暗示させている最後のオチがまた憎いですね。トルストイの作品はちょっと説教臭いですが『地に足をつけて生きよ』と言われているようで身が引きしまります。
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⑨ 堂々めぐり / アイザック・アシモフ
< あらすじ >
採掘施設を再開させるために水星に送りこまれたパウエルとドノバン。過酷な環境下で生き抜くために必要な「セレン」を採取してくるようロボットに命じるが、暴走して帰ってこなくなってしまう。追い詰められた2人は一か八かの賭けに出る・・・
< 感 想 >
アシモフの「ロボット工学三原則」を駆使した連作短編集の中の一作です。
「ロボット工学三原則」とは・・・
- 第一条 人間に危害を及ぼしてはいけない
- 第二条 人間の命令に服従しなければならない
- 第三条 自己を守らなければならない
更にこれらの原則は常に「第一条 ⇒ 第三条」の順に優先度が決まっています。この三つの原則と優先度が物語のカギを握っているのです。「堂々めぐり」でも事件を解決するには、三原則の組み合わせが重要になってきます。
また論理的なロボットの対比として登場する人間のコンビ、パウエルとドノバンも忘れてはいけません。このコンビの活躍は他の話にも出てきますが、この作品の2人が特に印象に残っています。
『ようし、14の3乗を先に言えたやつが行こう』そしてほとんど即座に彼はいった、『2744だ!』
それにしてもアシモフの「ロボット」や「A I」に対する捉え方は非常にポジティブですね。
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⑩ 盲人国 / H.G.ウエルズ
< あらすじ >
伝説とされていた秘境「盲人国」に迷い込んだヌネス。そこでは奇病のせいで、はるか昔から全ての人が盲目になっていた。ヌネスは優越感を感じながら視覚の素晴らしさについて教えようとするが、誰にも信じてもらえずに狂人あつかいされてしまう・・・
< 感 想 >
ヌネスが盲人国を見つけたときに抱いたのは『ここでなら片目の者でも王様だ』という慢心でした。しかし共有できていない経験を相手に伝えるのは非常にむずかしいことです。
そもそも盲目とはいえこの国の人たちは何不自由なく暮らしていました。なのに視覚の話など迷惑でしかないということがヌネスには理解できないのです。しかし盲人国の人々もまた、自分たちの経験の範囲でしかものごとを考えることができていません。
『わしは断言してもかまわんが、簡単な外科手術で治せるのだ。つまり例の脳をだめにする物体(※眼)を除去するんじゃ。』
自分の経験を伝えることの難しさ、相手の経験を理解することの難しさ。そういったことを、この物語は教えてくれているのだと思います。
⑨に戻る
あとがき
いかがだったでしょうか。こうして10作の短編を選んでみると、自分の人生観が少し見えてくるように思えます。
みなさんも自分なりの短編10作を選んでみたらどうでしょうか。今まで気づかなかったことを発見できるかもしれませんよ。そして、その10作を選ぶときにこのブログの記事が参考になればとてもうれしく思います。
※「短編小説TOP10」の怖~い版もありますよ!
⇒「発表!おすすめ怖~い短編小説TOP10(前編)」
それでは楽しい読書ライフをお過ごしください♪





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