どうも~♪ 本のソムリエ(見習い補佐)のだるまです。
前回に引き続き「三域分立」の説明をしていきたいと思います。今回は経済の領域について書いていきます。
※まだ前記事を読んでいない方は順番にお読みください。そのほうが理解しやすいと思いますよ♪
⇒「三域分立(基本編)・・・日本を救う方策」
実は他の2つ(政治・文化)よりも、この経済の領域が一番の難関になるかもしれません。なぜなら日本の現状を考えるとき、「三域分立」の考えからもっとも遠いのが経済の領域なのです。
政治にしても文化にしても問題は抱えているものの、テーマをある程度満たしていたり、少なくともその必要性を理解している人は多いです。しかし、経済に関してはその根本から全く違うルールにのっとって動かされています。
そこを解決しないと苦しみ嘆き、時には命すら落とす人も出てきてしまいます。この問題は早急に解決しなければいけません。それではどのようにして改めていけばいいのか説明していきましょう♪
目 次
- 1.お金が強くなりすぎた
- 2.お金の流れをつくりだせ
- 3.「限定的道州制」を活用せよ
ⅰ.客は神様ではない
ⅱ.合法的な詐欺師たち
ⅲ.実物と貨幣の主従関係
ⅰ.「自然」とは劣化するもの
ⅱ.「貨幣税」を導入せよ
ⅲ.「貨幣税」の利点
ⅳ.「貨幣税」の注意点
ⅰ.経済に特化した「道州制」
ⅱ.土地は国有化すべし
ⅲ.道州会議を開こう
1.お金が強くなりすぎた
ⅰ.客は神様ではない
経済の領域のテーマは「自然」です。ここでの国の影響力は「中」になるので、他の領域より調整力が求められます。では経済にとっての「自然」とは何なのでしょうか。それを知るためには、現在の貨幣制度が社会に与えている実害について考える必要があります。
まず問題となるのが買い手と売り手との関係でしょう。物々交換で経済がなりたっていた頃なら(同程度の交換条件であれば)お互いに同じような礼儀作法で交渉していたでしょう。
ところが貨幣経済の今ではこうはいきません。物やサービスを売る店員は低姿勢なのが当たり前、お金を持っている側はあいさつもお礼も言わなくてもかまわない。これはとても不自然なことだと思います。こういった一方的な関係はなくしたほうがいいのです。
しかし、だからといって店員が横暴な態度で客を迎えていいということではありません。理想は近所づきあいをするときのような、お互いが相手を気づかっている関係性だと思います。
ⅱ.合法的な詐欺師たち
また、セールスというものも不自然だと思います。「お客様のためを考えて」などと言っても、実際は 「気の弱い人や騙しやすそうな人をいかに効率よく見つけ出し、より多く高く売りつけるか」という側面が大きいのです。
そもそも本当に消費者が望んでいる物やサービスであれば、売る努力などしなくとも簡単に売れるはずです。チラシやネットへの掲載は必要だとしても、電話や訪問までして販売する必要はないのです。
しかし、今のように物や娯楽があふれている日本ではすぐに過剰生産になって、無駄なものを大量に売らなければ経営難に陥ってしまいます。セールスの存在理由は消費者のためなどではなく、売る側の生活がかかっているからというのが本当のところでしょう。
ⅲ.実物と貨幣の主従関係
元々、貨幣は経済の利便性を上げるために発明されました。あくまでも実物の影の役割を果たすものであって、実物が「主」で貨幣は「従」の関係のはずです。ところが実際は逆になっています。自分の影に操られる人がいたらおかしいのと一緒で、貨幣に現実社会が操られていてはいけないのです。
では、なぜ実物と貨幣の主従関係は逆転してしまうのでしょうか。それは貨幣が「自然」の原理から離れ、実物よりも強くなってしまっているからです。その結果貨幣の流れが悪くなり、社会へさまざまな悪影響を与えてしまっています。
この現象の代表はデフレでしょう。
「デフレ」・・・物の価値が下がり、貨幣の価値が上がる状態のこと。この状態だと不景気になりやすく、 従業員の給与が下がったり倒産やリストラにより失業者が増える。 そのことにより、さらに貨幣の循環が悪化していく。
現在の日本社会の息苦しさや不快さも、この貨幣制度の未熟さが大きな要因の一つになっているのだと思います。
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2.お金の流れをつくりだせ
ⅰ.「自然」とは劣化するもの
お金の流れは血液の流れにも例えられますが、これを停滞させれば上記のような問題が次から次にあらわれ社会を破壊してしまいます。貨幣の流れを停滞させないためには、実物と貨幣の主従関係を元に戻さねばなりません。
そのためには貨幣制度に「自然」の原理をとりいれる必要があります。その原理とは「実物(自然)は劣化によって減少する」というものです。食料・住居・衣服など ― この世界に存在する物は時間の経過とともに価値を失っていきます。
しかし、今の貨幣制度では貨幣価値は劣化しにくくなっており、減少するどころか利息によって増加する傾向すらあるのです。これは明らかに経済の未発達による弊害です。ココを修正することが経済を「自然」と融合させるカギになるのです。
つまり貨幣価値も実物(自然)と同じように劣化させる必要があります。人間は「自然」の中で生かされている存在です。人間社会が自然の原理に逆らえば、混乱と争いの世界に投げ出されてしまうのです。
ⅱ.「貨幣税」を導入せよ
では貨幣価値を劣化させるにはどうしたらいいのでしょうか。それにはもう一度、課税の制度を考え直す必要があると思います。
例えば消費税というのはお金を消費したとき、つまりお金を動かしたときに課税されます。しかし、消費というのは雇用を生み経済を活性化させるプラスの面もあります。もし消費税をどんどん上げて不足している福祉や医療費にまわそうとしたら、日本の経済に与える打撃はとても大きなものになり経営難に陥る会社や店が増えるでしょう。
そこで私は新たな税として「貨幣税」を提案します。これは貨幣自体に課税することで、利息によって増加しがちな貨幣の価値を劣化させ「自然」の原理に近づける税です。
この税は消費税とは逆で、貨幣を使わず貯めておくとどんどん課税されてしまいます。なので課税されたくなければ、消費するなり誰かに貸し出す(もしくは寄付する)必要がでてきます。そうすることで貨幣の流れが活発化し、経済を活性化させることになるのです。
ⅲ.「貨幣税」の利点
貨幣税の優れているところは売り手と買い手の関係を健全にするだけでなく、金貸しと借り手との力関係をも改善してしまうところです(本来虚業であるはずの金貸しが、実業に対して力を持ちすぎるのも問題なのです)。
なにしろ貨幣の流れを留めれば課税されてしまうので、貨幣を動かし続けねばなりません。例え利息が得られなかったとしても、返済の見込みのある人に貸して何年後かに同額を返してもらえば資産が減らずにすむので貸す動機になります。
利息というのは今の生活ではありとあらゆるところに上乗せされています。クレカやサラ金・家のローンなどを利用しない人でも間接的に利息を支払っているのです。
商品を購入する場合を考えてみましょう。その商品を製造する人たちは工場や機械などを購入するためにローンを組んで利息を支払っています。当然その利息分は物価に上乗せされることになります。貨幣税の導入によってこの利息分が減少すれば、どれだけわれわれの生活に恩恵をもたらすのか一度考えてみる必要がありそうです。
ⅳ.「貨幣税」の注意点
貨幣税を導入するにあたって脱税対策にも力を入れる必要があります。タンス預金にされないように全ての貨幣を電子マネー化し国が管理することや、海外送金に対する法律を強化しなければいけません。
また擬似的な貨幣として各種ポイントや商品券・地域通貨なども問題になるでしょう。これらも禁止するか、使用期限の義務付けを厳格化し貨幣税の隠れ蓑にならないようにしなければいけません。
そして当然この税は経済弱者にも同じように課税しなければいけません。貨幣税なら自動的に累進課税(金持ちほどより多く課税される制度)になりますし、もし一部の人だけ非課税にすると管理がややこしくなってしまいます。
経済のテーマは「自然」なので弱者救済を目的にすべきではありません。これは「自然が餓死しそうな子供の食べ物だけを腐らせない」ということをしないのと同じです。弱者救済は経済ではなく政治の仕事です。ここをわけなければ「三域分立」は崩壊してしまいます。
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3.「限定的道州制」を活用せよ
ⅰ.経済に特化した「道州制」
一時期盛んに「道州制」という制度が持てはやされていました。私はこの制度はこの領域(経済)に限定的に適用することが最良だと思ってます。つまり経済にのみ特化した「限定的道州制」です。
「道州制」・・・都道府県よりも広域な範囲(例えば東北・関東・中部・関西・九州などの地方エリア)で日本の行政区分を設定する制度。こうすることで各エリアが国よりも素早く、都道府県よりも無駄なくダイナミックに活動できるようになる。
今まで議論されてきたように(軍事や外交を除いた)全てに道州制を導入してしまうと、各エリアの権限があまりにも大きくなりすぎると思います。道州制に反対する人たちの「国がバラバラになるのではないか」という不安や危惧もわかります。
「道州制」の長所を引き出しつつ短所を抑えるためにも、福祉や医療は国・経済は道州・文化活動は市町村単位で行うという「三域分立」の考え方のほうが現実的だと思います。
ⅱ.土地は国有化すべし
経済の領域では国の影響力は「中」になるので、国もある程度は関与します。その一つとして貨幣税がありました。ここではさらにもう一つ、「土地の国有化」を提案したいと思います。そもそも私有地という考え方はおかしいと思います。強いて言うなら土地はその国の国民みなのものでしょう。
ただ国有化といっても国は地税を懐に入れるだけで、土地の活用方法を決めるのはその土地を管轄する道州です(ただし国による一定の制限あり)。道州単位で土地の活用方法を決めれるので、国主導より柔軟に私有地より大胆に動け経済が活性化しやすくなるのです。
道州は地税自体は入らないので、その土地を最大限に有効活用し経済を活性化させ法人税収を上げる努力をするのです。もちろん法人税は道州の財源になりますので、頑張れば頑張った分だけ予算が増えます。
ちなみに現在の土地の所有者には今までの使用年数に応じて、一定期間無料(もしくは安価)でその土地を借りられる権利を与えます。つまり使用年数が少ない人ほど長く無料(もしくは安価)で借りられるということです。そして、その期限が切れた土地から国有化していくことになります。
ⅲ.道州会議を開こう
道州制による経済運営で重要な役割を果たすのは「道州会議」とよばれる場です。ここでは物価や所得の問題などが話し合われ、それを解決するのは道州議会・経営者・労働者・消費者のそれぞれの代表です。
「三域分立」の考えでは、経済の領域で重視すべきなのは「自然」であって「自由」ではありません。なので自由競争による経済活動を認めません。物価や所得は競争によってではなく、道州会議での話し合いによって決めることになります。
またその道州での経済活動の方針も「道州会議」で決められます。どの産業に力をいれるのか、そのためには法律や土地の活用法をどう変えていけばいいのか ― そういったこともこの会議の中で話し合われます。
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あとがき
財源不足の話になると、大して議論もされずに「不足分は消費税の増税で」ということが前提になって話が進んでいってしまいます。貧困層に負担が大きく景気にも影響しやすい消費税が果たして財源として適しているのか、もっと議論が必要だと思います。
また大企業の経営者も槍玉にあげられることが多いですが、私は経営者より資産家(不労所得部分)を問題視すべきだと思います。両者が同一のこともありますが、経営者は基本的に努力していますし雇用も生み出しています。
一方資産家は本来自然のもの(貨幣価値の劣化部分や、土地の所有権)を利用して、大して苦労もせずに私腹を肥やしています。さらに貨幣や土地の循環を邪魔することさえあります。これらの弊害を正すことが日本の経済問題の急務なのだと私は思います。
※次の記事では文化の領域について説明していきたいと思います。そちらもぜひお読みください♪
⇒「三域分立(文化編)・・・東京支配をぶっ飛ばせ!」
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