どうも~♪ 本のソムリエ(見習い補佐)のだるまです。
前回に引き続き「三域分立」の説明をしていきたいと思います。今回から数回にわけて「三域分立」の各領域(政治・経済・文化)の具体的な内容について書いていきます。
※まだ最初の記事を読んでいない方はそちらからお読みください。そのほうが理解しやすいと思いますよ♪
⇒「三域分立(基本編)・・日本を救う方策」
まず今回は政治の領域について説明しましょう。ここでの政治とは「一人では解決することが困難な問題を、互いに補完しあうことで皆がより安定した生活を送れるように」という考えに基づいたもののことです。
皆が安定した暮らしをしていくためには、今のところ国の力を活用していくしかありません。しかし、その力は強大なだけに制御し損なえば誰かを不幸にしてしまうこともあり得ます。それだけに私たちはこの力を効果的に、しかし慎重に用いなければいけないのです。
それでは、その力をどのように用いればいいのか具体的に説明していきましょう♪
目 次
- 1.理想を捨て現実に立ち向かう
- 2.政治の要は「バランス調整」
- 3.日本を若返らせる方法
ⅰ.官僚たちの慢心
ⅱ.期待とは力を与えること
ⅲ.国と距離をとろう
ⅰ.政治に「愛や友情」はいらない
ⅱ.制度維持には厳しさも
ⅲ.パワーバランスで戦争を防ぐ
ⅰ.世代間格差を解消しよう
ⅱ.「一票の格差」の利点
ⅲ.若者の力を活用しよう
1.理想を捨て現実に立ち向かう
ⅰ.官僚たちの慢心
政治の領域でのテーマは「バランス」です。「バランス」というのは公平や均衡などのことです。この領域での国の影響力は「大」になりますので、一歩間違うと圧政になりかねない危険な領域です。
残念ながら現在の日本の権力構造の「バランス」は崩壊していると思います。これは本来「三
「三権 分立」・・・権力機構を3つ(立法・行政・司法)に分け、お互いを監視させることで権力の暴走を防ぐ制度。
さらに地方の首長(知事など)まで官僚出身者が大勢名を連ねています。たとえ官僚個人が優秀であったとしても、全体でのバランスがこうも偏ると結果的には弊害をもたらすことになってしまいます。
ⅱ.期待とは力を与えること
さて、日本では上手く機能していないこの「三
つまり国を信じ期待するのではなく、国を疑いその力を分割させることで権力の暴走をけん制しようとしているわけです。理想を求めて国に多くを望めば、そのぶん国が大きな力を持つことを認めなければいけなくなります。国に求めれば求めるだけ国の力は強大になっていくのです。理想的な権力者たちが実在するならば、そうしたところで危険はなく何もかもが上手くいきます。
しかし、現実はそんなに都合よくできていません。権力を集中させればそれだけ危険が増し、その牙がいつ国民へと向かうかわからないのです。理想(完璧な権力者)を捨て、現実(暴走する可能性)を受け入れ、それにどう対応すればいいのか真正面から考えられた制度が「三
ⅲ.国と距離をとろう
国に理想を求めるというのは、圧政をしかれるのと同じぐらい危険なことなのです。なぜならどちらであっても国と国民との距離を縮めることには違いないからです。国との距離のとり方では「どちらから距離を縮めるか」ということは問題ではありません。国と国民、どちらから近づいたとしても「両者の距離が縮むこと」自体が問題になるのです。
ちなみにここでいう国とは自国(日本)のことだけではありません。世界中の全ての国のことを言っているのです。自国(日本)だけを警戒し他国は信頼する(もしくはその逆も)という考え方は危険だと思います。強大な権力を持つ国というもの全てを警戒し、適度な距離を保ち不用意に近づかないようにしなければいけません。
その点では「三
「三
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2.政治の要は「バランス調整」
ⅰ.政治に「愛や友情」はいらない
政治の問題でよく勘違いされているなと思うのは、国のやることに「愛や(他国との)友情」などを求めることです。しかし、国同士の関係でそんなことが成り立つわけありません。こんなことを認めてしまえば、国に都合のいい「愛や友情」を押しつけられるだけです。そういった理想を求めたいのなら政治ではなく他の領域で求めるべきでしょう。
政治に求めるものは「愛や友情」ではなく「バランス」なのです。そして政治の領域は国の影響力が大きくなるので、客観的に判断できるデータや数値を重視し公平になるよう気をつけなければいけません。もちろん公務員たちが示すデータがきちんと実態をあらわしているかは用心深く判断する必要があります。
では政治で「バランス」をとる必要がある分野にはどのようなものがあるのでしょうか。例を一つ出すと、政治家の男女比の偏りです。日本では女性議員の数が男性議員に比べて極端に少ないと言われています。そこで女性議員を増やすために優遇制度を設けようという動きが出てきています。これは「三域分立」の考えからいっても正しい措置だといえるでしょう。
ⅱ.制度維持には厳しさも
その他にも「バランス」が求められる分野はたくさんあります。例えば医療や介護・年金などがそれに当てはまります。これらが抱える課題も国が率先して解決していかなければいけないものです。
これらの課題を考える場合、気をつけなければいけないのは年寄りばかり優遇して若者の将来を犠牲にしてしまうことです。世代間格差の問題は次項でも取り上げますが、医療や福祉は国民の負担が大きいので、制度を維持していくためには厳しい措置も必要になると思います(例えば安楽死の合法化など)。
それから経済格差の解消(セーフティーネット)も国の重要な仕事です。弱肉強食の社会にしないために、また貧富の格差が子々孫々にまで固定されないためにも、国による経済援助もある程度必要になります。
セーフティーネットでは生活保護も大事な役割を担っていると思いますが、非受給者からの不満も大きくなってきています。この制度を維持していくためにも受給者のギャンブル・合法ドラッグ(酒やタバコ)の禁止、また薬の転売をさせないように処方薬データの一元管理など、不満の対象になっている悪習をやめさせる措置も必要でしょう。
ⅲ.パワーバランスで戦争を防ぐ
それから外交や軍事の分野でも「バランス」が重要になります。ここで求められるのは世界全体でのパワーバランスです。「バランス」が重要といっても、どこの国とも等距離(中立)で関わるような八方美人になる必要はないのです。
例えば日米で軍事同盟を結んでいたとしても「バランス」を崩すことにはなりません。そのことで世界全体(特に東アジア)のパワーバランスがとれるのであれば、一方の陣営に入っていても問題はないのです。さらに世界(主に国連)の秩序を乱さないことも大事なことになります。
よく戦争は軍備が原因で起こると主張している人たちがいますが、現実に戦争が起こるのは世界のパワーバランスが崩れたときです。このことに注意してさえいれば、小競り合いはともかくとして大規模な戦争は防ぐことができるのです。
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3.日本を若返らせる方法
ⅰ.世代間格差を解消しよう
今までは横軸(空間)でのバランス問題を扱いましたが、ここでは縦軸(時間)でのバランス問題を扱いたいと思います。縦軸のバランス問題とは世代間格差のことです。
日本では少子高齢化が進んでおり、高齢者の割合が若者の割合を大きく上回っています。いくら投票で公平に政策を決めようとしても、これだけ世代間に開きがあると弊害も生まれてしまいます。この問題は選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げただけでは解決しないでしょう。
公的年金や介護の分野でもこの世代間格差が原因になって、若者が犠牲になっています。これでは若者は未来に希望を持って生きていくことができなくなってしまいます。いくら年寄り世代が若いときに苦労してきたとしても、少子高齢化対策を怠ってきた責任を若者に押し付けていいということにはなりません。
ⅱ.「一票の格差」の利点
この世代間格差を解消するためには、やはり政治の力を借りる必要があるでしょう。そのためにまず「一票の格差問題」に注目してみたいと思います。
「一票の格差問題」・・・選挙で一人の議員が当選するために必要な得票数が選挙区によって異ってしまうこと。そのため有権者の一票の価値にも格差が生じてしまう。
このことが違憲だと問題になり是正されることになりました。しかし、それでも格差が全くなくなるわけではなく、ある程度は残ることになります。
なぜなら、もしその選挙区の有権者数に比例し国会議員の数が決まってしまうと、人口の密集している都会の議員が多くなりすぎてしまいます。その結果、都会にばかり有利な政策が通りやすくなることが考えられ、それを緩和させる必要がでてくるのです。これも政治の「バランス調整」の一種なのでしょう。
ⅲ.若者の力を活用しよう
そこで世代間格差でもこれと同じことを行えば、その差を和らげることができるのではないでしょうか。具体的には「比例代表制」の選挙権を若者限定にするのです。こうすることで若者の政治への影響力が大きくなり、世代間格差もある程度は解消させることができます。
「比例代表制」・・・各政党の得票率に比例して議席が配分される制度。日本では小選挙区制(一選挙区から一人の議員だけを選出する制度)と共に採用されている。
何歳までが若者と認められ比例の選挙権を得られるのか、比例代表の議席の数をいくつに変更するかなど ― いろいろと調整は必要になると思います。しかし、これを行えば日本の有権者の判断は若返り、新しい時代にも柔軟で身軽な対応ができるようになります。つまり日本を若返らせることができるのです。
しかし、これだけだと若者以外の世代で小選挙区制の欠点(少数意見が選挙で反映されにくい)が大きくなってしまいます。なので小選挙区制を廃止し、大選挙区制(一つの選挙区から複数の議員を選出する制度)に変更することも同時に行う必要があるでしょう。こうすることで世代間格差を解消しつつ、各世代の少数意見も政治に反映できるようになるのです。
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あとがき
理想を求めるのではなく現実を見据え立ち向かうこと、このことが「三域分立」の基本理念です。そのためには愛や友情のような国になじまないものを求めるより、国との距離を保ちながらそれぞれの領域に適した対策をとっていくことが重要になります。
政治の領域でいうと「三
理想を夢見て満足するのでもなく、厳しい現実を見てあきらめるのでもない ― 目の前の課題に立ち向かって生きていくことができるのか。その覚悟がいま問われているのだと思います。
※次の記事では経済の領域を、その次では文化の領域について説明していきたいと思います。そちらもぜひ読んでみて下さい♪
⇒「三域分立(経済編)・・お金は実物の影にすぎない」
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