2016/06/11

発表っ!おすすめ映画TOP10


どうも~♪ 本のソムリエ(見習い補佐)のだるまです。


このブログは「本の紹介ブログ」なのですが、今回はちょっと趣旨を変えて「おすすめ映画のTOP10」を発表したいと思います。本ほどではないのですが映画もけっこう好きで、ぜひオススメしたい作品があったのでこの記事を作ってみました。


作品を選ぶ基準は「中身があり、なおかつ娯楽性にも長けたもの」としました。私は娯楽性だけで中身のない作品や、中身はあっても独りよがりの難解な作品は好きになれません。やはり映画を観るときは欲張って両立しているものが観たくなりますね。

それではいってみましょう~♪


発表っ!だるまが選ぶおすすめ映画TOP10※順不同

《注意!》Amazonリンクの商品は全てDVDです。Blu-rayをお求めの方はお気をつけ下さい。


① ゼロ・グラビティ / アルフォンソ・キュアロン



闇と静寂からの脱出


< あらすじ >


宇宙飛行士ライアンは船外活動中の突発事故により一人宇宙の暗闇へと投げ出される。事故の影響で宇宙船は大破、交信も途絶してしまう。ともに生き残ったマットの助けを借りて地球へ帰還しようとするライアンだったが、トラブルが続出し絶望へと追い込まれていく・・・

< 感  想 >


この作品は全体を通して静寂が支配しています。「音を伝えるものが何もない」宇宙空間では爆発音や衝突音もなく、宇宙船や人が破壊されていきます。BGMも最小限なので、物足りなく感じたり地味な作品だと思われる方もいるかもしれません。しかし私はその静寂体験こそがこの作品の醍醐味だと思っています。


さらに物語も、宇宙船を失った状態から地球帰還を目指すというとんでもない設定です。酸素や装備も不足する中、弱気になりながらも知恵を振りしぼって乗り越えようとするライアンには勇気付けられます。また前向きで陽気なマットの存在も心強く、いい味出しています。途中で起きる奇跡にも感動させられました。


『どうやってここへ?』『奇想天外なんだよ、ライアン』


21世紀に作られた映画で、私が観た中ではNO.1かな~。


② スタンド・バイ・ミー / ロブ・ライナー



バカで真っ直ぐな冒険譚


< あらすじ >


オレゴンの小さな田舎町でヒマをもてあそぶ少年4人組。ある夏の日、彼らの一人が「子供の死体が遠くの森に放置されている」ことを盗み聞く。情報元が車の窃盗がバレるのを恐れ通報できずにいることを知った4人は、英雄(死体の第一発見者)になるため旅に出る・・・

< 感  想 >


自分の子供時代を振り返れば誰もが恥ずかしくなったり、あきれるぐらいのバカな行動をとっているものでしょう。ケンカ、バカ話、下品な遊びに危険な冒険。この映画の少年4人組も負けず劣らずのバカっぷりを披露してくれます。   


やがて非日常に置かれた彼らは、それぞれの抱えていた思いや苦しみを徐々に打ち明け、支えあいながら少しだけ大人になっていきます。おバカな少年たちの真っ直ぐな生き方が、やけに眩しく見える1本です。


『あの12歳の時のような友達はもうできない。もう二度と・・』


③ ジョーズ / スティーヴン・スピルバーグ



巨大人喰いザメとの死闘


< あらすじ >


ある夏の日、海辺に巨大なサメに襲われたと思われる死体が打ち上げられた。事態を重く見た警察署長ブロディは海岸閉鎖を決定する。しかし、観光収入を減らしたくない市長たちに妨害され新たな犠牲者たちを次々と出してしまう。責任を痛感したブロディは、同志の協力をえて人喰いザメを倒すべく沖へと向かう・・・

< 感  想 >


海辺に響きわたる悲鳴、水面に浮かぶ死神のようなサメの顔、多量の流血で赤く染まる海。サメの全体像が見えないことで、観ている者の恐怖をさらに掻き立てています。(※ただし、グロいシーンも多いので苦手な人は要注意です。)自然の恐ろしさをまざまざと思い知らせてくれる一本です。


『サメの目は・・表情がない。人形の目そっくりだ。』


とにかく恐怖シーンてんこ盛りのこの作品、いま観ても「コワ面白い傑作」で間違いありません。当時27歳の若さでこんな名作を創りあげたスピルバーグはやはり天才です。


④ 天使にラブソングを.. / エミール・アルドリーノ



世俗と神聖との融合


< あらすじ >


クラブ歌手のデロリスは、殺人現場を目撃してしまいギャングに命を狙われるはめに。犯人が捕まるまで身を隠すよう刑事に言われた先はなんと修道院! シスターに扮していても自由奔放な性格を持て余すデロリスは、聖歌隊に入れられ大はしゃぎ。だが、教会の周りにギャングたちが姿を現しはじめ・・・

< 感  想 >


笑いと感動のバランスがとれたコメディ映画です。作品の中で使われる歌はどれも名曲ばかりで、聴いていて楽しくなります。賛美歌らしからぬリズムとダンスは不謹慎かもしれませんが、お尻を振りながら歌うデロリスはとても魅力的です(笑)


(初めて修道服を着たデロリスが)『これじゃまるでペンギンよっ!』


修道院に世俗観を持ち込んだデロリスは最初こそトラブル続きでしたが、やがて修道院のシスターたちや近隣住民に笑顔をとり戻させていきます。異質なもの同士で対立するのではなく、お互いの良さを引き立てあうことでより素晴らしいものにしていけるんですね。


⑤ ブラックホーク・ダウン / リドリー・スコット



絶体絶命!敵陣からの救出劇


< あらすじ >


1993年ソマリア、独裁者アイディードの部下を捕縛するため送り込まれた米軍特殊部隊。その任務遂行中にヘリ(ブラックホーク)が撃墜されてしまう。部隊は生存者を救出すべく敵の民兵が密集する真っ只中へと突入していく。その最中、さらにもう一機のヘリが撃ち落され事態はドロ沼の市街戦へと陥っていく・・・

< 感  想 >


事実に基づいてつくられた非常に生々しい戦争映画です。ちぎれた腕が落ちていたり、麻酔無しでの手術、砲撃をうけ上半身だけでかろうじて生きている兵士。激しい銃撃戦に暴力的なシーンも多く、かなり刺激の強い作品になっています。


特に印象的だったのは、墜落したヘリの中の兵士に襲いかかる民兵と群集です。初めてこの場面を観たときは自分が襲われているような錯覚さえ覚えました。しかし決してソマリアの人たちだけを悪者にしているわけではなく、彼らの米軍に対する怒りや憎しみが伝わってくるシーンでもあります。


死者だけが戦争の終わりを見た -(プラトン)


他国のことに干渉しすぎな米国が招いた悲劇ではありますが、内戦と外国の介入・・現地の人たちにとってどちらが幸せにつながるのか考えさせられます。


⑥ アメリ / ジャン=ピエール・ジュネ



空想から一歩前へ


< あらすじ >


特殊な家庭環境で育った内気な女の子アメリ。彼女は孤独な心を空想によって満たしていった。やがて大人になり家を出たアメリは、自分を変えるために周りの人たちが現実に立ち向かうきっかけを与えていく。だけど自分の恋のことになると、また内気な少女に戻ってしまい・・・

< 感  想 >


独特の世界観で評価の分かれそうなフランス映画です。狂気を感じる雰囲気や毒気の強い場面もあり、眉をひそめる人もいるかもしれません。アメリが人助けをする方法も、その内気な性格から考え出された一風変わったものです。


『それが好きらしいな、「作戦」が。・・だがちょっと卑怯だ。』


ストーリー自体は大したことは起きないのですが、次から次に繰り広げられる演出が面白く飽きさせません。「映画っていろんな表現ができるんだな」と感心させてくれる一本です。特にTVの中の人物がアメリの気持ちを代弁するシーンは必見です(笑)


⑦ インファナル・アフェア / アンドリュー・ラウ..



彼岸の独り法師


< あらすじ >


マフィアの新米ラウは香港警察へのスパイとして送り込まれる。一方、警察でも新人警官のヤンを潜入捜査官としてマフィアへ潜り込ませようとしていた。時がたち、組織での信頼を得た2人は順調に出世していた。だが次第に警察・マフィア共にスパイが紛れ込んでいることに気づき、裏切り者の炙り出しが始まる・・・

< 感  想 >


香港が生んだ二重スパイ映画です。手に汗握る情報戦が繰り広げられスリル満点の作品になっています。2人が仲間(?)の目を掻い潜りながら組織の情報を流出させる場面もハラハラさせてくれます。ヤンの元カノとの再会シーンや、ラウの正体に気づく場面などさりげない演出が上手いですね。


また2人の心情にも注目してもらいたいです。表向きは仲間たちと親しくしていても、内心は組織の中で常に孤立しているのです。2つの組織の間で精神を引き裂かれている2人は次第に自己を保てなくなっていきます。一つの組織の中でさえ人間関係は大変なのにスパイとして働き、裏切り者(自分自身)の捜索まで任されるわけですから心労は察するに余りありますね。


『善人か悪人か わからない。わかるのは本人だけ。』


⑧ マトリックス / ウォシャウスキー兄弟



支配からの救世物語


< あらすじ >


20世紀末のある日、ハッカーのネオは正体不明の組織から警告を受ける。その直後、警察から追われ不可思議な体験をしたことで世界に対する不信感を強くしていく。疑念を晴らすため組織と接触した彼は、そこで世界の本当の姿を知ることに。人類を解放するため、ネオは戦いの渦中へと踏み出していく・・・

< 感  想 >


SFアクション映画の傑作です。「マトリックス」という世界観を存分に活かして創られています。遠くのビルへ飛び移ったり、側転しながら銃を連射したり、弾丸をかわしたり・・・現実ではあり得ないこういった動きも、この前提があるので不自然に感じず楽しめます。


また日常に感じる違和感も「バグ(エラー)」や「敵の介入のサイン」だと説明されます。マトリックスの出入り口も公衆電話になっていたり、アナログとデジタルの組み合わせが絶妙で思わずニヤリとしてしまいます。20世紀に創られたことが信じられないぐらい斬新な作品です。


・・起きろ・・ネオ・・・マトリックスが見ている


⑨ シティ・オブ・ゴッド / フェルナンド・メイレレス



貧困から生まれる暴力の連鎖


< あらすじ >


ブラジルのリオ郊外にあるスラム「神の街」。そこでは土地を追いやられた者たちが貧困にあえぎながら暮らしていた。報道カメラマンに憧れる少年ブスタペ。持ち前の度胸と凶暴さで街のボスへと登りつめるリトル・ゼ。争いを好まず人望の厚いギャング・ベネ。弱肉強食のこの街で、彼らは自らの力を試していく・・・

< 感  想 >


実話に基づいたドキュメンタリー風映画です。強盗、殺人、密売・・・無法地帯のこの街では力の強弱によって全てが決められます。その移り変わりは激しく、それまで幅を利かせていた者たちも次の瞬間にはあっさりと殺されてしまいます。貧しさゆえに立ち直るきっかけもなく悪循環が続いていくのが切ないです。


『「神の街」では逃げたら負け。立ち止まってもだ。』


また子供たち中心で物語は進んでいくのですが、その演技力に驚かされます。小さな子供が無抵抗な大人たちを、楽しそうに射殺していくシーンも生々しくてゾッとします。他の子たちの怯える様子なども、まるでドキュメンタリーを観ているようです。


⑩ 千年女優 / 今 敏



記憶と現(うつつ)の迷宮


< あらすじ >


大女優・藤原千代子は30年前に突如表舞台から姿を消す。千代子の大ファンでもあった立花はインタビューを撮るためにカメラマンを連れ、隠居している千代子の元へと向かう。千代子の思い出話に聞き入る立花たちだったが、次第に千代子の記憶の中へと迷い込んでいき・・・

< 感  想 >


老女だった千代子が少女の姿になり思い出話をしだしたり、立花たちが千代子の記憶の世界へと入って取材しようとしたり・・記憶と現実との境界線が曖昧で交じり合っているのが面白いです。千代子ファンだった立花が我慢できずに、思い出の中の映画に何度も出演してしまうところもかわいいです(笑)


『わたし行きます。必ず会いに行きます!』


千代子が姫や忍者など昔演じた役に次から次へと変化していき、場面設定もコロコロ変わるので最後まで飽きずに楽しめます。それにしても・・・1人の男を追いかける恋愛ストーリーだと思って観ていたのに・・・初見の方は「あ然」とされるかもしれませんね。



あとがき


10本にしぼると王道の作品ばかりになってしまいますね(汗)。映画好きの人には目新しさはないかもしれませんが、これから映画を楽しもうと思っている方になら自信を持っておススメできる作品ばかりです。


笑い、感動、涙、驚き、恐怖・・・幅広いジャンルの作品を選んだので多彩な追体験ができると思いますよ。良質な映画をたくさん観れば人間の幅も広がること間違いなしです!


ちなみに⑩は日本の作品も入れたいと思い選んだものです。日本の名作から何を選ぶか迷いましたが、日本といえばやはりアニメ! なので私の大好きな「今 敏監督」の作品にしました(こんな名作を創れるだけに今監督の早世が惜しまれます)。


それでは楽しい映画ライフをお過ごしください♪



0 件のコメント:
コメントを投稿